社長AIブログ 第1回 | 30年近くIT業界にいるおっさんが、AIでまた開発者に戻った話

この記事の4行要約
- 経営者になって長らくコードを書いていなかった筆者が、生成AIとバイブコーディングによって再び開発者のような役割に戻った経緯を紹介します
- 小山(要件・判断)→OpenAI(設計・レビュー)→Claude Code(実装)→GitHub(記録)→Azure(実行)という「人間1人+複数のAI」による開発体制の実例を解説します
- AIは自信満々に間違えることも多く、設計・レビュー体制の重要性がむしろ増しているという経営者としての気づきをまとめます
- 本記事では、経営者自身がAIで開発に戻った体験と、今後このブログで発信していく内容の方向性を紹介します。
小山 才喜こやま さいき
得意領域
元マイクロソフトの技術営業、ジョルダン社での事業立ち上げを経て独立、起業13年目の生涯現役社長
など著書多数
保有資格
Microsoft 認定資格(MCP)を30以上保持したタイトルホルダー
最近、またシステムを作っています。
正確には、
私が作っていると言っていいのかは、かなり怪しいです(笑)
コードのほとんどはAIが書いています。
ただ、
「何を作るのか」
「どういう仕組みにするのか」
「この設計で本当に大丈夫なのか」
「これを製品として売れるのか」
を考えているのは私です。
最近よく聞く、
バイブコーディング
というやつです。
気がつけば、私はIT業界に入って30年近くになります。
そして今、50代のおっさんになって、なぜかもう一度開発者みたいなことをやっています。
人生、分からないものです(^_^;)
昔はちゃんとプログラムを書いていました
私がマイクロソフトに入社したのは2000年です。
最初はProfessional Support、その後Premier Supportなどで、企業向けシステムのサポートを担当していました。
Active Directory、Exchange Serverなど、今考えるとなかなか濃い世界です。
その後、Officeの技術営業に移り、
Office
VSTO
SharePoint
などを担当しました。
Visual StudioでOfficeを開発したり、SharePointの開発をしたり、TechEdやDevelopers Forumで話したり、本を書いたりしていました。
当時はVSTO MVPなんてものもいただいていました。
ですので、一応昔は開発者側の人間です。
ただ、その後会社を作り、経営者になってからは、当然ながら自分でコードを書く機会はどんどん減っていきました。
会社の経営をしながら、
営業をやって、
企画をやって、
採用をやって、
お金のことを考えて、
トラブルが起きれば対応して……。
社長なんてやっていると、Visual Studioを開いて悠長にプログラムを書いている時間などありません(笑)
当然、製品を作る場合には社員に頼むか、外部に頼むことになります。
それが普通だと思っていました。
ところが生成AIが出てきた
ChatGPTが出てきた頃から、かなり触っていました。
最初は、
「これは検索の代わりになるな」
くらいだったと思います。
そこから文章を書かせたり、企画を考えさせたり、調査をさせたりしていました。
ところが、ここ最近のAIは明らかに違います。
特にソフトウェア開発です。
要件を渡す。
設計をさせる。
コードを書かせる。
テストを書かせる。
エラーを調べさせる。
修正させる。
GitHubに記録させる。
Azureへの移行方法まで考えさせる。
普通に、
システム開発の一連の工程にAIが入ってきます。
ここまで来ると、
「プログラミングを支援してもらう」
という話ではありません。
AIと一緒に開発チームを作る
に近い感覚です。
最近の私の開発チーム
現在、私が試している開発方法はだいたいこんな感じです。

最近はかなりこの形になっています。
私はAIに、
「こういうものを作りたい」
と言う。
OpenAIと設計について議論する。
設計が固まったらClaude Codeに実装させる。
実装されたものを、またOpenAIに技術レビューさせる。
問題があればClaude Codeへ戻す。
昔だったら、
PM
SE
プログラマー
インフラエンジニア
テスター
など、何人もの人がやっていたことを、
人間1人+複数のAI
で回しています。
もちろん、すべての案件でこれができるという話ではありません。
ただ、小規模な新規製品やPoCでは、かなり現実的になってきました。
しかも実験ではなく、普通に実務で使っています
面白半分でプログラムを書いているだけではありません。
現在アーティサンでは、
バス予報など既存サービスのリニューアル
オンデマンド交通関連システム
LINKS Mobilys
乗降カウントシステム
e-Learning関連システム
既存システムのAzureへの移行
など、いろいろな取り組みを進めています。
その中に、かなりAIを入れ始めています。
昔だったら、
「これを作ったらいくら掛かる?」
「何人月掛かる?」
「エンジニアの空きはある?」
というところから始まっていました。
今はまず、
「AIでどこまで作れる?」
から考えるようになりました。
これは経営者としては結構大きな変化です。
アイデアが出ても、
開発費500万円だからやめよう。
1,000万円だから来年度にしよう。
エンジニアがいないから半年待とう。
ということが今までは普通にありました。
生成AIによって、このハードルがものすごい勢いで下がっています。
これは単なる生産性向上ではありません。
今まで採算が合わなかった製品を、事業化できる可能性が出てきた
ということです。
ここは経営者として、とても大きいと思っています。
ただしAIは、普通に間違えます
ここまで読むと、
「もうエンジニアいらないじゃん」
と思う人もいるかもしれません。
そんな簡単な話でもありません。
AIは普通に間違えます。
しかも、
結構自信満々に間違えます(笑)
「完璧です」
と言ってきたものを別のAIにレビューさせると、
「重大な問題があります」
と言われたりします。
そこで元のAIに戻すと、
「ご指摘の通りです」
となる。
お前さっき完璧って言ったじゃん。
ということが日常的に起きます。
AI同士でレビューさせると、たまに喧嘩みたいになります。
そして延々直させていると、今度はトークンが無くなります。
最近は、
「またトークン無くなった……」
というのが普通になりました。
AIで開発費を安くしているのか、
AI会社への課金を増やしているのか、
たまに分からなくなります(笑)
だから設計とレビューが重要になる
AI時代になると、プログラミング能力が不要になる。
私はそうは思っていません。
むしろ、
何を作るのかを考える能力
が今まで以上に重要になると思っています。
要件がおかしければ、AIはおかしなものを高速で作ります。
設計がおかしければ、おかしなシステムが一瞬で出来上がります。
これはある意味怖い。
昔なら、おかしなシステムを作るにも3ヶ月掛かりました。
これからは、
おかしなシステムを3日で作れる。
すごい時代です(笑)
だから私は、
要件定義
設計書
GitHub
Pull Request
テスト
別AIによる技術レビュー
などをかなり重視しています。
AIに全部任せるのではなく、
AIが暴走しない仕組みもAIと一緒に作る。
そんな感覚です。
そして最後に、
「これで行く」
と決めるのは人間です。
少なくとも私は、そこは当分変わらないと思っています。
Office、SharePoint、ローコード。そしてAI
こうして考えると、私は昔から同じことをやっているのかもしれません。
Office開発をやっていた頃も、
「ExcelやWordを業務システムとして使えないか」
と考えていました。
SharePointでは、
「もっと簡単に企業システムを作れないか」
と考えていました。
Power Platformなどのローコードでも、
「専門的なプログラマーでなくてもシステムを作れる世界」
に興味を持ってきました。
そして今は生成AIです。
Office
↓
VSTO
↓
SharePoint
↓
ローコード
↓
生成AI
こうして並べてみると、結構つながっています。
違うのは今回、
本当に作れてしまう範囲がものすごく広い
ということです。
経営者が、
「こんな製品が欲しい」
と思った翌日から、自分で開発を始められる。
これは相当大きな変化です。
アーティサンもAI前提の会社になると思う
今後、アーティサンで作るものは、新規事業だけではなく既存事業も含めて、ほぼすべて何らかの形でAIが絡んでくると思っています。
AI機能を製品に付ける、という意味だけではありません。
企画
設計
開発
営業
マーケティング
サポート
教育
社内業務
会社のあらゆるところにAIが入る。
私はこれを、
「AIを導入する」
というより、
会社そのものをAI前提で作り直す
くらいに考えています。
当然、失敗もすると思います。
というか、既に結構しています(笑)
無駄にトークンを使ったり、
AI同士が変な方向へ進んだり、
何時間も掛けて作ったものを全部捨てたり。
でも、それでいいと思っています。
Microsoftにいた頃も、新しい技術が出るととにかく触っていました。
Office開発もSharePointも、最初から答えがあったわけではありません。
結局、
触った人にしか分からないことがあります。
AIも同じだと思っています。
このブログで書いていきます
せっかくなので、これからこのブログでは、私が実際にAIを使って何をやっているのかを書いていこうと思います。
成功した話だけを書くつもりはありません。
失敗した話。
課金しすぎた話。
AIに腹が立った話。
AI同士を戦わせた話。
本当に製品ができてしまった話。
システム移行までやらせてみた話。
AIを経営に入れると何が変わるのか。
そのあたりを、実体験を中心に書いていこうと思っています。
AIについて偉そうに語れるほど、まだ分かっていません。
たぶん半年後には、今書いていることも古くなっています。
だからこそ、
今、実際にやっていることを残しておこうと思います。
50代のおっさんが、AIを使ってもう一度開発者に戻る。
なかなか面白い時代になりました。
さて。
今日もAIに働いてもらいます。
たぶん、また途中でトークンが無くなりますが(笑)
Artisan(アーティサン)とは
Artisan(アーティサン)とは、腕の良い職人を意味する言葉です。
アーティサン株式会社では、技術をつくること自体を目的とせず、使われ続ける価値として社会に届けることを使命としています。
モビリティ事業は公共交通事業者や自治体向けに、バスロケーションシステム「バス予報」、予約配車システム「オンデマンド バス予報」、GTFS作成支援「まかせてGTFS」、お知らせ配信「かんたんAlert」などを提供しています。
MSクラウド事業はMicrosoft 365、SharePoint、Power Apps、Power Automate、Copilot Studioなどを中心に、コンサルティング、設計、構築、開発、研修、内製化、運用支援を提供しています。
2つの事業を通じて、企業と社会が自らの力で最適解を導き出すための支援を行っています。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
また、技術を追い求めながら会社と一緒に成長していける仲間も、積極的に募集しています。
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