社長AIブログ 第3回 | OpenAIとClaude Codeを一緒に働かせてみた

この記事の4行要約
- 開発者本人1人に、OpenAI・Claude Code・GitHub・Azureを組み合わせた「人間1人+AI数名」の開発体制を実践している
- OpenAIには要件整理・設計・技術レビューを、Claude Codeには実装・テスト・GitHubへの反映を、それぞれ役割分担させている
- GitHubに設計判断や実装履歴を残すことで、AIとの会話では失われがちな「記憶」を担保している
- 本記事では、OpenAIとClaude Codeを役割分担させて開発チームのように運用する実践方法と、そこでも人間の最終判断が欠かせない理由を解説します
小山 才喜こやま さいき
得意領域
元マイクロソフトの技術営業、ジョルダン社での事業立ち上げを経て独立、起業13年目の生涯現役社長
など著書多数
保有資格
Microsoft 認定資格(MCP)を30以上保持したタイトルホルダー
最近、システム開発でAIをかなり使っています。
第1回では、
「AIでまた開発者に戻った」
という話を書きました。
第2回では、
「AIだけでもシステムは作れる。でも、それを製品にするには人間の判断が必要」
という話を書きました。
【このシリーズの過去回一覧】
では、実際にどうやって作っているのか。
今回はその話です。
最近の私の開発体制は、かなり変わっています。
人間は基本的に私1人。
そこに、
OpenAI
Claude Code
GitHub
Azure
を組み合わせています。
言ってしまえば、
人間1人+AI数名の開発チーム
です。
もちろんAIに社員番号はありません(笑)
でも、役割を分けてみると意外なくらいチームっぽく動きます。
1つのAIに全部やらせない
最初の頃は、1つのAIに全部お願いしていました。
「要件を考えて」
「設計して」
「コードを書いて」
「レビューして」
「直して」
これでもある程度はできます。
ただ、やっているうちに問題が出てきます。
自分で書いた設計を、自分でレビューする。
自分で書いたコードを、自分で褒める。
そして最後に、
「問題ありません。完璧です。」
と言い始める(笑)
人間でも、自分の仕事を自分だけでレビューすると見落とします。
AIも似たようなところがあります。
そこで、
役割を分ける
ことにしました。
OpenAIは「設計者」と「レビュー担当」
最近、OpenAIには主に、
要件整理
基本設計
API設計
DB設計
Azure構成
セキュリティ観点の確認
技術レビュー
Claude Codeへの作業指示作成
をやらせています。
私が、
「こういう製品を作りたい」
と話す。
すると、
「では要件はこうですね」
「この機能はPhase 1に入れましょう」
「この機能は後回しでいいと思います」
「マルチテナントにするなら、この設計では危険です」
など、かなり細かく議論できます。
私はそこで、
「いや、それはいらない」
「これは絶対必要」
「将来こうしたい」
と返します。
こうやって話していると、昔SEとホワイトボードの前で設計していた感覚に近いです。
ただし相手は24時間います。
しかも、同じ質問を何回しても怒りません。
これは便利です(笑)
Claude Codeは「実装担当」
設計が固まると、Claude Codeに渡します。
ここでは、
「いい感じに作って」
とは言いません。
なるべく、
変更対象
実装方針
制約
受け入れ条件
テスト条件
やってはいけないこと
まで具体的に渡します。
最近は、OpenAIに、
「Claude Codeへ渡す作業指示を作って」
と頼むことも多いです。
すると、かなり細かい実装指示ができます。
それをClaude Codeに渡す。
Claude Codeがリポジトリを読んで、
コードを書いて、
テストを追加して、
必要ならドキュメントも更新して、
GitHubに反映する。
ここまで一気に進みます。
私はコードを1行ずつ書いていません。
でも、
何を作らせるかはかなり細かく見ています。
この違いは大きいです。
GitHubが「記憶」になる
AIを使った開発で意外と重要なのがGitHubです。
AIとの会話だけで開発すると、
昨日何を決めたか。
なぜこの設計になったか。
どこまで実装したか。
何を直したか。
だんだん分からなくなります。
AIも会話が変われば前提を忘れます。
人間も忘れます。
特に私は忘れます(笑)
そこで、
Issue
Pull Request
設計書
ADR
README
コミット履歴
などをGitHubに残します。
AIとの会話は流れていきますが、
GitHubは残る。
だから最近は、
「AIに作らせる」
というより、
AIの仕事をGitHubに記録させる
ことをかなり意識しています。
これが無いと、AI開発は結構危険だと思っています。
OpenAIがClaude Codeをレビューする
Claude Codeが実装したら終わりではありません。
今度はOpenAIに戻します。
Pull Requestの内容を見せて、
「技術レビューしてください」
と頼みます。
すると、
「この権限制御では抜け道があります」
「このテストでは異常系を確認できていません」
「このCAS条件だと競合時に壊れる可能性があります」
「この設計は将来のマルチテナント対応で問題になります」
など、普通に指摘してきます。
そこでClaude Codeに、
「レビュー指摘を直してください」
と戻します。
直したら、またレビュー。
また戻す。
この辺りから、
普通の開発チームとやっていることがあまり変わらなくなってきます。
違うのは、人間の会議が無いことです。
Teams会議もありません。
スケジュール調整もありません。
「来週の定例で確認しましょう」
もありません。
ものすごく速いです。
でも、AI同士に任せればいいわけではない
ここで勘違いしてはいけないのが、
OpenAIが設計して、
Claude Codeが実装して、
OpenAIがレビューしたら、
「もう人間はいらない」
という話ではありません。
全然そんなことはありません。
AI同士が、
「問題ありません」
「レビュー完了です」
と言っていても、
私が見て、
「いや、そもそも要件が違う」
ということがあります。
ここが一番怖いところです。
設計も正しい。
コードも正しい。
テストも通っている。
でも、
作っているもの自体が違う。
これでは意味がありません。
だから私は最後に、
「そもそも何を作ろうとしていたんだっけ?」
を必ず見るようにしています。
技術的に正しいことと、
事業として正しいことは別です。
AIを「人」みたいに扱うと分かりやすい
最近は、AIに仕事をさせる時、
ソフトウェアとしてではなく、
チームメンバーとして考える
ことが増えました。
例えば、
OpenAIは設計とレビューが得意。
Claude Codeはリポジトリを読んで実装するのが得意。
GitHubは記録担当。
Azureは実行環境。
私はプロダクトオーナー兼、最終承認者。
こんな感じです。

すると、
「誰に何をやらせるか」
が分かりやすくなります。
昔、
「適材適所」
という言葉がありました。
AIにも結構当てはまります。
全部を1つのAIにやらせるより、
得意な仕事を分けた方がうまくいく。
今のところ、私はそう感じています。
そして人間の仕事が変わってきた
昔は、
自分でコードを書く時間が長かった。
今は、
AIに何をさせるか考える時間が長い。
そして、
AIが出してきたものを判断する時間が長い。
これはかなり大きな変化です。
プログラミングそのものより、
要件を決める
設計を判断する
優先順位を付ける
リスクを見る
完成条件を決める
こういう仕事の比重が増えています。
つまり、
手を動かす仕事から、判断する仕事へ移っている。
経営者の私がまた開発に戻れた理由も、ここにあります。
コードを書く時間は無い。
でも、
何を作るべきかを考える時間なら作れる。
そこから先をAIに渡せる。
これは大きいです。
AI開発チームは、これから普通になるかもしれない
今はまだ、
「OpenAIとClaude Codeを一緒に使っています」
と言うと、
少し変わったことをやっているように聞こえるかもしれません。
でも数年後には、
「え、AIを1つしか使ってないの?」
となるかもしれません。
人間の会社でも、
営業、
設計、
開発、
品質管理、
運用
と役割が分かれています。
AIも同じように、
複数のAIが役割分担する世界になる。
私はそんな気がしています。
実際、今の私の開発環境は少しずつそうなっています。
人間1人。
AI数名。
GitHub。
Azure。
これで製品を作る。
20年前の私に言ったら、
たぶん信じないでしょう。
というか、
「何を言っているんだ、このおっさん」
と言われると思います(笑)
でも今、実際にやっています。
なかなか面白い時代です。
そして次回は、
AI同士にレビューさせていたら、本当に揉め始めた話
を書こうと思います。
これがまた、結構面白いです(笑)
Artisan(アーティサン)とは
Artisan(アーティサン)とは、腕の良い職人を意味する言葉です。
アーティサン株式会社では、技術をつくること自体を目的とせず、使われ続ける価値として社会に届けることを使命としています。
モビリティ事業は公共交通事業者や自治体向けに、バスロケーションシステム「バス予報」、予約配車システム「オンデマンド バス予報」、GTFS作成支援「まかせてGTFS」、お知らせ配信「かんたんAlert」などを提供しています。
MSクラウド事業はMicrosoft 365、SharePoint、Power Apps、Power Automate、Copilot Studioなどを中心に、コンサルティング、設計、構築、開発、研修、内製化、運用支援を提供しています。
2つの事業を通じて、企業と社会が自らの力で最適解を導き出すための支援を行っています。
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