アーティサン株式会社
  • 社長AIブログ

社長AIブログ 第6回 | AIで楽になるはずが、なぜ私は1日20時間働いているのか?

この記事の4行要約

  • 生成AIを使えば仕事は楽になるはずなのに、実際は1日20時間働くほど忙しくなったという経営者自身のリアルな体験談
  • AIが「できない」を次々に「できる」に変えていくことで、こなせる仕事量の上限そのものが押し広げられていく仕組み
  • AIは疲れず止まらないため、最終的に「どこまでやるか」「どこで止まるか」を人間側が自分で決める必要があるという教訓
  • 本記事では、生成AI時代における生産性向上の落とし穴と、人間らしい働き方・体調管理との向き合い方を解説します
この記事を書いた人
小山才喜

小山 才喜こやま さいき

Microsoft Azure Microsoft 365 AI開発

元マイクロソフトの技術営業、ジョルダン社での事業立ち上げを経て独立、起業13年目の生涯現役社長

元MVP(Microsoft Valuable Professional)
「VSTOとSharePoint Server 2007による開発技術」

など著書多数

Microsoft 認定資格(MCP)を30以上保持したタイトルホルダー


最近、よく言われます。

「生成AIを使うと、仕事が楽になるんでしょう?」

たしかに、そうだと思います。

文章は速くなる。

調査も速くなる。

設計も速くなる。

コードも書いてくれる。

レビューまでしてくれる。

普通に考えれば、

仕事は楽になるはずです。

ところが最近の私は、

早朝からAIを回して、

昼間にアプリ開発を2本進め、

夜にまた3本進め、

深夜に事業計画を作り、

製品ページのリニューアル指示書を作り、

さらに社長ブログの企画まで考えていました。

全部をAIだけでやっているわけではありません。

ただ、スピードを上げるためにかなりAIの力を借りています。

そして気がついたら、

1日20時間くらい何かをやっている。

おかしい。

生成AIを使えば楽になるはずだったのに、

全然、楽になってない(笑)

 

 

【このシリーズの過去回一覧】

 

 

 

AIは仕事を減らすものだと思っていた

生成AIが話題になり始めた頃、

よく言われていたのは、

「生産性が上がる」

「作業時間が減る」

「残業が減る」

という話でした。

もちろん、その通りだと思います。

例えば、

昔なら半日掛かった資料作成が1時間になる。

1週間掛かった調査が1日になる。

数日掛かったコード作成が数時間になる。

ここだけ見ると、

余った時間は休めるはずです。

ところが、

経営者とか新規事業をやっている人間は、

そうならないことがあります。

1日掛かっていた仕事が2時間で終わる。

すると、

残りの6時間でもう3個やる。

こうなる(笑)

 

「できない」が、どんどん減っていく

昔は、

「やりたいけど時間がない」

という理由で諦めることが結構ありました。

新しい製品を考えたい。

ホームページを直したい。

事業計画を作りたい。

新しいシステムを試したい。

既存システムを移行したい。

でも、

人がいない。

時間がない。

予算がない。

だから後回し。

これが普通でした。

ところがAIを使うと、

この「できない」が減っていきます。

「アプリ作れる?」

作れます。

「事業計画作れる?」

作れます。

「製品ページ直せる?」

できます。

「設計書作れる?」

できます。

「このシステム、Azureに移せる?」

検討できます。

だいたい、

「できます」

と返ってきます。

結果、

やることが増える。

AIは私の仕事を減らしたのではなく、

私ができる仕事の上限を壊しました。

最近はそんな感覚です。

できる仕事量の上限が広がる図

 

幹部に「1日20時間回している」と話した

社内でも、

最近かなりAIを使っているという話をしています。

ある時、

幹部に、

「最近、1日20時間くらいAIをぶん回している」

という話をしました。

それが部内に共有されたらしいのですが、

従業員さんから、

「生成AI使って楽になるはずが、全然楽になってないじゃないですか(笑)」

という反応があったそうです。

完全にその通りです。

私はその話を聞いて、

寺田心くんの、

「ブックオフなのに本ねぇじゃん!」

を思い出しました(笑)

AIなのに楽になってないじゃん。

そんな感じです。

 

AIは待ってくれない

人間なら、

「今日はもう遅いので続きは明日にしましょう」

となります。

AIは言いません。

深夜2時でも、

「続けますか?」

と聞いてきます。

こちらが、

「続けて」

と言えば続けます。

朝4時でも続けます。

翌朝になっても続けます。

しかも疲れません。

ここが怖い。

AIの処理能力が上がるほど、

人間側が、

「もう今日はやめよう」

と止めなければいけなくなります。

最近は、

AIに仕事をさせているというより、

AIに仕事を追加されているような気がする

ことがあります(笑)

 

起業当初と同じか、それ以上に必死になっている

アーティサンを立ち上げた頃は、

当然かなり働いていました。

営業。

提案。

開発。

採用。

経理。

契約。

何でもやる。

起業した人なら、

たぶん似たような経験があると思います。

最近、

それに近い感覚があります。

というか、

下手をするとそれ以上かもしれません。

なぜなら、

昔は、

できる量に物理的な上限があった。

今はAIがその上限を押し広げてくる。

思いついたら作れる。

調べられる。

設計できる。

試せる。

次のアイデアが出る。

また作る。

終わらない(笑)

 

そして普通に体調を崩した

こんな生活を1ヶ月くらい続けていたら、

普通にバテました。

当たり前です。

AIは疲れなくても、

私は人間です。

ここを忘れてはいけません。

頭では分かっていました。

でも、

作れる。

進む。

結果が出る。

面白い。

となると、

ついやってしまいます。

これは少し危険です。

生成AIによる生産性向上の話では、

「人間の時間が空く」

という話が多いですが、

実際には、

空いた時間にさらに仕事を詰め込む人間もいる。

経営者や新規事業担当者は、

特にその傾向がある気がします。

 

生成AIは「時短ツール」だけではない

最近、

生成AIを単なる効率化ツールとして見ると、

少し違うのではないかと思い始めました。

もちろん時短にもなります。

でも、

本当のインパクトは、

今までできなかった量の仕事ができること

ではないかと思っています。

1人で5個のプロジェクトを見る。

1日に複数の製品企画を進める。

思いついたサービスをその日のうちに試す。

夜中に事業計画まで作る。

昔なら、

人を増やさないとできなかったことです。

それを1人でもかなり進められる。

これは楽になるというより、

人間の能力を拡張する

という方が近い気がします。

 

生成AIという地獄の業火

最近の感覚を一言で言うと、

地獄の業火

です(笑)

生成AIを使えば、

もっと作れる。

もっと考えられる。

もっと試せる。

もっと速く進められる。

すると、

「もっとやれる」

となる。

その結果、

自分で自分を焼いている。

そんな感じです。

でも不思議なことに、

私はこの状態が嫌いではありません。

むしろ、

いい湯加減です。

昔、

新しい技術を触っていた頃もそうでした。

分からないことがある。

試す。

失敗する。

また試す。

できる。

次へ行く。

AI時代になって、

またその感覚が戻ってきました。

 

ただし、本当に倒れたら意味がない

ここは反省しています。

AIが止まらないからといって、

人間まで止まらなくていい。

当たり前ですが(笑)

これからは、

AIに何をやらせるかだけではなく、

何をやらせないか。

そして、

自分がどこで止まるか。

これも考えないといけない。

AI時代の生産性管理は、

単純に、

「AIをもっと使おう」

ではなく、

「AIで増えた能力をどこに使うか」

まで含めて考える必要がありそうです。

 

明日も明日とて、地獄めぐり

それでも、

明日もたぶんAIを使います。

アプリを作る。

設計する。

レビューする。

企画する。

事業計画を作る。

新しいことを試す。

そしてたぶん、

また夜になって、

「もうこんな時間か」

と言っていると思います。

生成AIを使えば楽になる。

それは本当です。

ただし、

楽になった時間で何をするかは、その人次第です。

私はどうやら、

空いた時間でまた仕事を始めるタイプだったようです(笑)

次回は、

「生成AI時代、最初に限界を迎えるのはAIではなく人間だった」

という話を書いてみようと思います。

AIはまだ動ける。

でも、

こちらがもう動けない。

最近、その意味がよく分かります。

Artisan(アーティサン)とは

Artisan(アーティサン)とは、腕の良い職人を意味する言葉です。

アーティサン株式会社では、技術をつくること自体を目的とせず、使われ続ける価値として社会に届けることを使命としています。

モビリティ事業は公共交通事業者や自治体向けに、バスロケーションシステム「バス予報」、予約配車システム「オンデマンドバス予報」、GTFS作成支援「まかせてGTFS」、お知らせ配信「かんたんAlert」などを提供しています。

MSクラウド事業はMicrosoft 365、SharePoint、Power Apps、Power Automate、Copilot Studioなどを中心に、コンサルティング、設計、構築、開発、研修、内製化、運用支援を提供しています。

2つの事業を通じて、企業と社会が自らの力で最適解を導き出すための支援を行っています。

気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

また、技術を追い求めながら会社と一緒に成長していける仲間も、積極的に募集しています。

バス予報・オンデマンド交通など、モビリティ事業のサービス一覧はこちら

モビリティ事業ページへ

SharePoint・Power Platformなど、Microsoftクラウド事業のサービス一覧はこちら

Microsoftクラウド事業ページへ

アーティサンの採用情報はこちら

採用情報ページへ